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Method

業績改善の具体的方法論

FBC⑦ ブッフェスタイルに於ける考え方

〇多分、厳密な数字を把握するのは難しいですが、採算分岐ラインを推計することは出来ます。

 

 

 

今やどこのホテルや旅館でもブッフェスタイルの朝食花盛りです。ホテルのオールデイダイニングの店舗を全ての営業時間帯を通してブッフェスタイルにしているケースも多く見られます。(もっとも、新型コロナ禍に於いては、感染防止の一環としてブッフェスタイルを一時中断せざるを得ない状況もありますが、その話題は一先ずここでは置くとしまして。)

 

ブッフェスタイルを多くのホテル旅館で採用している理由は皆さんご存知のとおりです。

お客様の視点ではオーダーテイクの不手際などで待たされることなく色々な料理を好きなだけ楽しめる、というメリット、施設側の視点ではサービスの負荷の軽減やバイオーダーで調理に取り掛かるのではなく一定のペースで調理できるということあたりが主なところだと思います。

 

施設側の立場としては原価率は高いですが、仮に原価率50%かかるとしてもそれでもなお人件費の節約分のほうが勝るとの考えが多くなっています。多分、そうなのでしょう。またはお客様の店内での一般的なご案内や料理の差替え、テーブルの片づけなどが主な仕事になりますからスタッフが経験豊かである必要性が低くなるという面もあります。

 

しかしながら、朝食はブッフェスタイル、昼食や夕食は通常のテーブルサービス、というスタイルのレストラン全体の原価率に対して人件費の節約を上回るとされる朝食ブッフェの原価はどのように影響するのか定量的に把握できているかと言うと、そのあたりの話までになるといきなり情緒的な会話になってしまう施設も少なくありません。曰く「うちのレストランの原価率が高いのは朝食のブッフェが影響しているだろう」、「少々原価率が高いかもしれないけれど通常サービスのスタイルに戻すと人件費が今の水準では収まらないだろう」等。

 

ブッフェスタイルの営業の原価率を把握するには、もう少し正確に表現するとブッフェスタイルの営業がそのレストランの経営上、どのようなファクターとなっているか、を出来るだけきちんと把握するには

  1. ブッフェ営業用の食材や飲料材を他のスタイルの営業用と分けて管理するという方法が先ずは思いつきます。ブッフェ料理、通常の料理、それぞれ独自に使用する食材もあるでしょうから、そこはカンタンです。共通の材料は何等かの方法で按分すれば一先ず数字を把握することが出来ます。
    しかし、これは理屈ではそうであっても「やるは難し」です。冷蔵庫や冷凍庫や保管庫、発注・検収作業、仕込みの段取り、などの手間を考えると容易に想像できますね。

  2. 次に、ブッフェ営業部分の厳密な原価率を算出することを諦めて、採算ラインの目安をつける、
    という方法があります。特にブッフェ営業時間の入客数の多寡の波が激しい店舗の場合。
    手順としては、

  ①チャーフィンや小判皿の通常の1杯分の料理のレシピー原価は算出する。

  ②入客数の多寡に波がある一定期間各料理の差替え回数をカウントする。(計算をシンプルにするために盛りつけのポーションは標準または半分にする、などの
   工夫をすると楽です)

  ③上記の①②の作業をもとに入客数ごとの原価の額を計算出来ます。

  ④したがって、その一定期間内のデイリーの原価率も計算出来ます。

 

この数字で、入客数ごとの原価率の目安を測ることが出来ます。あくまでも理論原価上の数値ですが。逆に言うと、目標とする原価率に収めるためには最低何人の入客が必要かがわかります。あるいは、ブッフェ営業がその店舗全体の原価率の圧迫要因となっているかどうかの判断がつきます。

 

上記の(1)(2)いずれにしても、最後は「全体」として経営が採算分岐を超え、前回の収益に寄与すれば良いので必要以上に部分部分の原価“率”に目くじらを立てることはあまり合理的な考え方とは思いませんし、勿論理論上は幾らでも精度の高い数字を算出することは出来ますがそれに伴う事務作業量との見合いということも大事な問題です。朝食、昼食、夕食ごとに原価率を算出しますか? という話題と同じお話です。あるいは「FBCの大切な考え方②」で申し上げたように、ブッフェスタイルを人件費セーブの観点からのみ考えるのではなく、お客様への魅力度がアップしグロスの利益の「額」が増えるのであれば原価の「率」が上がっても館全体の利益向上に貢献するのでは、という目線も重要です。

そう言った意味からもFBC管理の業務もそのホテル旅館の抱えているテーマに対して必要十分な範囲で取り組めば良いものだと思います。

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