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Method

業績改善の具体的方法論

FBC⑧ 取引先との交渉について

〇取引先はその道のプロなので敵わない。敬意を以てお付き合いする。

 

 

 

筆者が若いころに勤務していた大手ホテルでは、“業者さん”、“取引先”と呼ばず、「お取引先様」と呼ぶように指導されました。また、経験が浅く知見も乏しい若い頃に大型のシティホテルの開業準備室でFFEの調達担当をしていた頃、初めのうちは厳しく価格交渉する、厳しく納期を詰めることが仕事の腕前と思っていましたが、途中から取引先の担当者の人は全部自分の先生、との考え方を持つようになりました。シティホテルが調達するFFEは皆さんご存知のとおり非常に多岐にわたり、そのスペックも非常に幅広く奥深いもので、その当時の仕事のおかげで、今でもデパートの1階から8階まで、そこに並ぶ商品について何某かの能書きが言えます。また、関わる施設で厨房施設の更新や、清掃会社の選定などの場面では具体的な知識知見が多いに役立つことがあります。なので、「先生」です。

 

本稿のタイトルは「取引先との交渉について」としましたが、正しくは「取引先とのお付き合いのスタンスについて」のほうが相応しいかもしれません。

 

先ず、第一義としては取引は「Win Win」でなければならないこと。

お互いに適正なメリット(適正な利益)を享受できなればそもそも商取引ではありません。

理不尽な値引きを強要することは良好な関係を継続することは出来ません。これは不当な利益を得るような品質のものばかりが納入されることを想像すれば自ずと明らかな理屈だと思います。

さらに言うならば、相手はその道のプロなので、広く浅い知見しかない我々の、いくらでも上を行くことが出来ます。

そのためには、「値切る」のではなく、提示価格を「査定」すること。「査定」するためにはホテル旅館側は一生懸命勉強することが必要です。

そして、勉強するためには、最も身近で活きた情報を提供してくれるのは取引先です。

 

「商取引」という観点で言うと、ホテルとそこに宿泊していただくゲストとの間も基本的には「商取引」です。我々ホテル旅館は、そのゲストに対しては「少しでも良い商品、プラン、サービス、を少しでも納得感のある価格で提供する」ように毎日努力します。同じスタンスを取引先との関係に於いても一環するだけのことだとも言えます。

 

未だに業者会、協力会と称して、15,000円の忘年会やイベントのチケットを強要する風習がありますが論外です。彼らも商売ですから不要のコストは後々にわたって回収するだけです。

15,000円の忘年会は原価率30%、かかる人件費30%とすれば手残りの粗利は6,000円ですが、彼らの出費は15,000円でいずれの日かその全額を回収されると思うべきです。つまり割り負けしているのです。

超人気のディナーショー企画を計画できてチケット入手が困難なような場合に、日頃の付き合いのよしみで優先的にウェイティングリストに載せて差し上げることのほうが長期的にはよほどホテル側の利益になると思います。(なかなか、そのようなイベント企画は思いつきませんが)

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