top of page

Method

業績改善の具体的方法論

仕事の棚卸

生産性向上という言葉を頻繁に耳にします。

生産性を向上させることによってビジネスの効率が高まり収益力を向上させるということであることは皆さんご存知のことで、私たちホテル旅館の業界のみならず、産業を問わず中小企業の持続継続力を高める上でも色々なところで声高に叫ばれています。さらには、大企業も含めて技術革新により生産性を高めることが、陰りが心配される日本全体の経済力を復活させるためにも必要であるとも言われています。

 

まるで、日本中、どの企業も業界も生産性向上に取り組まなければならない局面のようです。

安心しましょう。生産性向上をしなければ生き残れないと問い詰められているのは私たちホテル旅館業界だけではないようです。

 

ここで、一口に「生産性向上」と言っても、様々な側面やアプローチの手法や取組みの段階、があるのだろうと考えます。

上述の大企業も含めた技術革新への取組みは製造業に於いてはこれまでにない画期的なFAやプロダクトマネージメントがイメージされ研究費等も含めて大規模な投資がイメージされます。また、IT企業等がリードする形でICTを駆使した新たな高付加価値・高収益のビジネスモデルの開発などがイメージされます。あるいはSDG’s宣言にもあるようなパートナーシップにより複数の小規模事業者が連携することでスケールメリットを享受出来るようなしくみを構築するということもあるかもしれません。

 

そして、本稿は、「小規模事業所のホテル旅館が、身の丈にあったスタイル・やり方で科学的な運営体制を創り上げるために」がコンセプトですから、その目線で言えば、社員一人一人のレベルアップやパソコンスキルの向上や館内連携のしくみの改善なども重要な要素であると考えます。そして、それらの中で是非取り組んでみていただきたいのが「仕事の棚卸」です。

 

「仕事の棚卸」という言葉も既に耳にされた方も多いと思いますが、この作業自体が実は案外難しいものなので心して取組みましょう。人間は慣性の動物なので日々のルーチンで行っている業務を改めて分野ごとに大項目・中項目・小項目に分解整理して書き出すと言う作業は普段やっていないからです。さらには、業務を書き出せたとして慣れ親しんできた仕事を一つ一つ「このやり方は合っているか?」「この作業は必要か?」などと猜疑心を以て見つめるなどということもほとんど経験の無い作業だからです。

 

「仕事の棚卸」で着目していただきたいところは、

 ① 無用の分業(担当単位または部署単位)をしているところは無いか?

 ② 複数の人が重複している仕事(全部または一部)をしていないか?

 ③ 大昔に作ったルールが今でも残っていることはないか?

 ④ 属人的な都合により1種類の業務に複数のやり方が存在していないか?

 ⑤ 備品や書類、消耗品等の在庫保管場所を改めるだけで歩行距離が短くなるようなことはないか?

 ⑥ 必要以上に部門別の数字の管理に拘っていないか?

 ⑦ デジタル化は進んでいるか?

 ⑧ 勤務シフトは、各部署ともフォーキャスト(予約の入込状況)と確実に連動しているか?

 ⑨ 資料作りに於いては、折角作った資料やデータを誰が見ているのか?

等々、まさに現場オペレーションの手元足元のレベルの仕事の棚卸、仕事の見直し、です。

 

大事なことは、部署間の業務負荷を一定程度平等にするとか不慣れな人から手慣れた人に仕事を移行してスピードアップを図るということではなく、館全体・会社全体から作業量を減らすということです。

もしかしたらその検討の過程でどこかの部署の負荷がより増えるなどの事も起こり得ます。その時には要員配置の見直しなどの施策で解決しましょう。そして作業量が軽減されてその結果として余裕が出来たマンパワーを前向きの金稼ぎの作業に振り向けましょう。

bottom of page