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Method

業績改善の具体的方法論

指標や指数の捉え方 指標や指数は「率」と「額」の両方で

ホテル旅館の運営に於いては、実に様々なKPI(運営状況を把握分析するための重要な指標)があります。

ざっと思いつくだけでも、宿泊系では、稼働率、平均室単価、平均客単価、DOR(同伴係数:1室あたりの平均宿泊人数)、RevPAR、朝食の喫食率、さらには地域別実績、販売チャネル別実績、等々。レストランや宴会など飲食を伴う部門では、 原価率、テーブル・席回転率、ABC分析、等々。損益管理では、人件費率、販管費の科目ごとの対売上構成比率、GOP率、営業利益率、昨年実績対比、その他にも人時売上高、等々。そして、これらの中には大きく分けると「%」で表現されるもの、「円」などの実数で表現されるものがあります。

また、業界平均、標準的な値、というものも存在しますが、一口にホテル旅館と言っても業態は実に様々ですし、それぞれの会社ごとに基となる実績値の科目への仕訳のスタイルもそれぞれの事情により異なるケースも多くあります。

情緒的な寛ぎを提供する客商売と言いながら結構科学的な事業です。

 

改めて書くまでもなく、運営管理上の様々な指標や指数は、その数値を把握すること自体は目的ではなく、それ等の値が示す数値により商売が思惑通り順調に推移しているか? 逆に異常値や目標値との差異が示された時には戦略戦術の修正を図ることが目的です。または、何か新しい施策を講じる際の判断基準とすることが目的です。さらに突き詰めて言うなれば1円でも多くの利益を確保するということが最終の目的です。

 

しかるに、業界平均的な値をもとに「率」の議論が一人歩きしているようなことは身の周りには無いでしょうか?

 

例えば、食材原価率。

一般的に販売価格の30%あたりが目安となっています。これは「率」です。

5,000円の通常メニューの食材原価だけを差し引いた粗々利は ×70%で3,500円です。

イベント用の特別メニュー 10,000円に同じ30%の原価をかければ粗々利は ×70%で7,000円ですが、特別メニューの魅力を高めるために50%に原価をかけても粗々利は ×50%の5,000円で通常メニューよりは多くなります。この議論は「額」です。

少しばかり話が逸れるかも知れませんが、特別メニューと言うことで通常よりもサービスに手間がかかる(人件費が余計にかかる)こともあり得ますので原価は30%のままで企画する、逆にサービスへの負荷が増えないメニューを考案する、と言った議論も全体調和を図る上では必要かも知れません。当該のイベントで増益を狙うのであれば売上や原価率だけでなく「手残りがいくら増えるか?」が実質的な議論だと考えます。その際、販促効果を狙って上昇した原価分は販促費などで処理をすれば調理部門への公平性は担保できます。

 

例えば、宿泊部門では稼働率、室単価、RevPAR、等、どの指標を最重要視するかではなく、宿泊人件費や客室コストもふまえて、ある場面では稼働率重視、またある時は室単価重視でそのための策としてDORを上げるようにするなど、どのような構成で売上を作っていくかが重要です。

 

いずれも、短絡的、局部的に指標が上がった下がっただけを議論しても片手落ちということです。

そして、全体のバランスの中で最適解を追い求めるのは経営層の仕事だと考えます。なぜなら、各担当者が自分の担務の数字を良くすることに熱心になることはある意味過ちではないからです。

 

利益の単位は「円」です。社員に払う給料も「%」ではなく、「円」で支払います。

マネジメントの場面では「率」だけでなく「額」だけでもなく、全体バランスの中で最適解を求める考え方が重要です。

 

蛇足ながら、一番乱暴な議論として売上の増減をちゃんと監視していれば利益の状況もあらかた把握できるということもあるかもしれませんが、それは色々な諸元が一定している場合に成立する考え方であり、残念ながら、私たちホテル旅館業は、日々バリエーション豊富な状況におかれますので、諸元はそんなに一定しないことを書き添えます。

意思決定と実践開始のスピードアップ

     〇思いついたらすぐに始めて、段々良くする。

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