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FBC⑤ 食材・飲料材の原価管理の実際



〇原価率の変動の要因を探る。



実際のFBC業務で管理把握できる、言い換えると“出来栄えの振り返り”をする数字を表に整理してみました。

①は、POSシステムなどから計上される売上、お客様から料金をいただいた売上です。

②は、接待伝票や割引伝票により集計された売上ベースの値です。

したがって、③の合計は厨房で調理された料理の売上ベースの総額になります。会社としては①の売上がトップラインですが、注文指示された料理を作った調理場の仕事は③です。

⑨の純使用額は、④+⑤-⑥+⑦(IN-OUT)-⑧ です。

⑩は当該月の原価率、⑪は当該月までの累計値の原価率です。それぞれ分母が①と③の二通りです。

⑫は、当該月の使用額に対する在庫額の割合です。この例のレストランでは概ね4~5日分の在庫を持っていることになります。


まず、ここまでの数字を把握することで、販促の都合で割引販売した分、社用接待に供された分、様々な全社的な業務に使用された食材の分などをきちんと加減して、調理場に対する公平性を担保できます。


次に、この例では、食材原価率は30%を軸に結構上下しています。どちらかと言うと売上が少ないと原価率が上がる傾向になっています。

原価率の値に影響を与えた要因は、

・朝食、ランチ、ディナー別の入客数、単価、売上に普段と異なる傾向は無かったか?

・利益率の低いランチ売上が妙に大きく(小さく)なかったか?

・営業時間帯別以外にもABC分析をチェックして、利幅の大きい(小さい)メニューがよく売れてなかったか?



・バスストップなど単価の高い(低い)特別メニューによる大人数の受注は無かったか?

・宿泊部門の稼働率、喫食率の変動が大きく、朝食ブッフェでのロスが大きく(小さく) なかったか?

・企画イベント対応で、当初、予約数よりも多くの仕込みをするなどのことはなかったか?

・生鮮ものの相場が急上昇(下降)して、レシピーの修正が間に合わず、仕入れ単価の上下が反映されている部分はないか?

などなど、様々なことが考えられますが、例で示したFB管理表では売上の内訳までは表現されていないので、FBC管理表だけでなくレストランの売上管理表、ABC分析表と重ね合わせて分析することができます。裏を返すと、FBC管理表だけちゃんと作っても食材原価管理は出来ない、ということになります。


そこまで広範囲に係数管理ばっかりやってられないと嘆く経営者もいらっしゃいますが、でもこれらも経営や運営管理の基本動作の一つなのでやらなければなりません。でも、仮に片手落ちの係数管理であっても「ゼロ」よりは「1以上」のほうが素晴らしいことには変わりがないので一定の価値はあります。そして、やがてやれる範囲を広げられる時を虎視眈々と狙いましょう。


さて、上記の営業現場側に特筆すべき事情が見当たらないということになれば、ここで初めて調理側の業務プロセスのどこかに原因があることになります。新入社員が多く無駄遣いが多かったせいなのか、廃材利用に工夫が足りなかったのか、つまりロスが多かったのか? あるいは人件費抑制の意識が働きすぎ半加工品の仕入れが知らず知らずのうちに多くなるなどレシピー原価に思惑違いがあったのか?、 はたまた(あまり良い引き合いではありませんが)不適切な仕入れがあったのか? などなどです。


ロスがどのくらいのロットで生じているかを見る一番シンプルな計算方法はレシピー原価×料理の出卓数の数字と使用額との差異があります。


また、昔ながらに生の素材ばかりから調理するのではなく、半加工品やレトルト食材を利用することは人件費の節約につながります。一方、経営全体としては材料費による支出も人件費による支出も同じお金なので、全体コストを有機的にコントロールする経営感覚が重要です。さらには、調理は技術職なので、丸の魚を一から捌く技術をどうやって教えるか、など、なかなか複雑・厄介でもあります。


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