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Method

業績改善の具体的方法論

手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント②

「販売プランのブレークダウン表」

ホテル旅館の業界に於ける用語としての「ブレークダウン」は、料金の内訳という意味で使われます。

例えば、1泊朝食の宿泊プランのブレークダウンは、プランの料金を室料・サービス料・朝食料金・消費税に分解して内訳表にすることを指しますが、本稿ではその内訳に原価も一緒に表現して販売プラン単体の「粗利」も表現することとします。

なお、「粗利」という言葉を使ってしまうと、一体どこまで厳密に算出するのか?という議論にもなりかねないですが、ブレークダウン表が必要以上に詳細・複雑になっても仕方がないので、ここでは下記のようなイメージです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※客室の定員は4名とし、利用人数1名~4名のそれぞれを表示しています。

※夕食単価は8,000円、朝食単価は1,500円です。原価率はともに32%としています。

※客室コストは超概算で1,500円/人としてあります。

  実際には、客室コストは清掃費など、人あたりではなく1室あたりにかかるものもありますので単純

に@1,500円×人数で計上するのは少々粗い計算になりますが、ここでは便宜上そのようにしてありま

す。大浴場に関する維持管理コストや温泉経費などを包含するものとしてください。あるいはコストは

厳しめに見るということでご容赦いただいても結構です。

※AGTコミッションは15%としてあります。

 

料金は7段階にしてみました。後で詳しく述べますが、Cランクの料金を標準レートとして前後それぞれ1,000円ピッチで料金の振り幅を設けています。また、利用人数ごとの料金差は1,000円(1名様利用の場合は別途)です。通常レートは、本稿では「目指すべき平均客単価」の値と認識しておいてください。この表が1つのユニットで、もし部屋のグレードがいくつかあるのであれば各部屋タイプごとの料金差を設定して同様の表に整理します。料理のグレードについても同様です。

数字だらけの表が沢山出来るのが嫌であれば、「標準客室・標準料理」のバージョンをひとつだけ作って、その脇に部屋タイプの料金差額、料理の売値の差額を記入する、ということでも構いませんが、出来ることならば「急がば回れ」で、愚直に一覧表を沢山作ることをお勧めします。

当たり前の話ですが、食事の売値とその原価は固定ですので、プラン料金からその食事部分を引いた残りの数字が室料収入、とするのが基本です。プラン全体の割引分を宿泊部門と調理部門にそれぞれ按分するという計算もありますが、ここでは無視します。

大事な数字は、「粗利」の欄の合計値の部分です。この数字が、それぞれの部屋タイプや料理ランクごとに利用人数、料金ランクによりどのくらいの粗利を稼げるのか、を示しています。漠然と1室あたりの利用人数の多さだけで低料金で受注したり、稼働率だけを重視するような販売手法では、飯のタネの粗利が稼げないことがわかると思います。また、このブレークダウン表では表現されていませんが、販売室数が増えるということはそれだけ人手もかかる、すなわちコストもかかる、ということなので、いかに「販売単価」が重要であるかがわかると思います。

 

粗利の算出根拠になる原価などの支出構造や施設のグレード感や競合施設の状況、また、事業計画のベースとなる目標とすべき客単価や稼働率や1室あたりの人数など、それぞれのホテル旅館で様々ですから、それぞれのホテル旅館の経営環境を踏まえたブレークダウン表を作成してください。

 

なお、たまに生じる現象として、値段競争に陥った場合を想定してのかなり激しい廉価なレートをこのブレークダウン表に入力してみたところ、客室粗利がマイナスになるということが有り得ます。粗利合計がマイナスとまではなりませんが(そのようなケースは論外です)、それでもそういう料金を設定するのか?ということも改めて議論すべきです。よくよく検証してみてください。

 

 

 

レートテーブル(料金一覧表)

 

 

ブレークダウン表の料金の部分(お客様との会話に用いる数字)だけを一覧表に整理したものです。

縦軸に利用人数と部屋タイプを、横軸に料金の種類を並べてあります。

このサンプルでは、料金を13通りにしてみました。相変わらず真ん中のGレートが標準レートですが、それぞれの事情や販売手法により必ずしも左右対称である必要はありません。「手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント①」で述べたとおり、理論上は全てのお客様がこのGレートで予約をして稼働率もDOR(1室あたりの宿泊人数)も前年度または事業計画と全く同じことで1年が過ぎれば対前年100%または計画達成率100%となる値を目安に設定します。

 

この料金表は「標準料理プラン」用です。料理のランクが複数ある場合、1泊朝食プランや素泊まりプランを設定する場合は、それぞれのプラン用のバージョンを作成します。

この料金表は、日々の販売に関する業務、特にレベニューマネジメントに関する作業上、とても重要です。

お客様からの問合せへの応答は勿論、レベニューマネジメント、サイトコントローラーやOATの管理画面上の作業をする上で「早見表」の役目をするものです。あるいは、リアル・エージェントへの次年度の回答書を記入する際にも同様です。各レートに割り当てているアルファベットが予約事務所内の会話の共通言語となれば便利です。

 

部屋タイプごとの料金差は、それぞれの部屋への投資額や競合施設の同程度のグレードとの比較などである程度は理詰めで設定できると思います。

料金ランクごとの差額は、あまり小さくすると料金の種類が増えすぎてしまうことになり、逆にあまり大きなピッチにするとレート・コントロールの運用上選択肢が少なくなってしまうという面もありますのでそれぞれの施設の事情に応じて設定することが良いと思います。

また、その差額も一律のピッチである必要はありません。

 手作りのExcelでできるレベニューマネジメント③

  稼働ランクとレートの対応表、稼働ランクの過去実績表

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