Method
業績改善の具体的方法論
手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント⑤
「レート指示書」
このエクセルは、ヨコ軸に当月の日付と曜日の目盛りを置いています。
「販売開始レート」と言うのは、6か月~9か月前の販売開始時点での販売レートです。この販売レートは、「手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント③」の「稼働ランクの過去実績表」を参考にして、今期と前期で商売を取り囲む諸々の環境に違いがあるのであればそれらも加味して決定します。
「諸々の環境」とは、
・設備投資をして大浴場をきれいにした。
・長年研究していた新メニューが出来上がり地産地消の特徴のある食事を提供できるようになった。
・地道なセールス活動の成果で一定程度の団体需要が見込める。
・地域全体の取組としてインバウンドの成長が見込める。
・前期の実績はスポット的な団体案件によるもので今期はそれらの案件が無い。
・景気の後退感がある。
・脅威となる競合施設が出来た。
等々です。
次に、一番左に「更新日」とある欄には「手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント④」の「ブッキングカーブ、フォーキャスト」の状況を鑑み、動かしたレートを記録します。最下段のアルファベットが現在販売中のレートになります。
「レート指示書」の名前のとおり、このエクセルに基づいてサイトコントローラーやOTAの管理画面の修正作業を行うとともに電話やメールの問合せへの回答や団体案件の商談の際の早見表になります。また、過去のレベニューマネジメントの記録にもなります。
見本では、変動させているレートのみを表示していますが、例えば、スペシャルレート(低料金)のプランを販売するしないを〇×記号で表示する、直前割引プランの販売の有無、旅館であれば1泊朝食プランや素泊りプランの販売の有無、を○×記号で表示する、などのことをしていけば一覧表としての多くの役割を担うエクセルにすることが出来ます。
後ほど詳しく述べるテーマですが、この見本では、かなり低めのレートからスタートして入込が増えていくにしたがって順調にレートを上げていく経過が見てとれます。中には、販売開始時点の低めのレートまま着地してしまった残念な日付もあります。
ここで、既にお気づきかも知れませんが、この見本では販売レートを「下げるオペレーションをしない」を前提にしています。したがって「手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント③」で述べたように販売開始時点のレートは過去の着地ランクの2つ3つ低めのレートでセットする理由がここにあります。「下げるオペレーションをしない」方針を愚直に守るのであれば強気のレートで販売を開始して思うように入込が上がっていかない場合にやり様がなくなってしまうからです。
詳しくは、後ほど述べます。
