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Method

業績改善の具体的方法論

手作りのエクセルでできるレベニューマネジメント⑦

ここからは、手作りのエクセルの話ではなく、レベニューマネジメントの基本的な考え方とその

運用についてです。

基本的な考え方

販売活動に関する売上や単価などの目標も何もなく、「とにかく1円でも1室でも多く販売するのだ」という話しになると議論が乱暴になってしまいますので、ここでは、「前年対比100%以上の結果を求める」、すなわち、売上が去年よりも増えることについての考え方ということにします。

このシリーズの冒頭で述べたように、今年、稼働率も宿泊人数も平均単価も去年と全く同じことが繰り返されれば売上は前年対比100%です。

 

 

 

仮に、室稼働率や宿泊人数が前年度と同一だったとして、上図の赤い点線の下の黄色い三角形の部分(前年度の平均単価よりも低料金で販売した件数)よりも、赤い点線(前年度の平均単価)の上の水色の三角形の部分のほうが大きければ平均単価は前年度よりも上昇することになります。(勿論、稼働率や宿泊人数も同一と言うことは普通はあり得ませんので、それらの複合的な絡み合いの結果として売上の数字ということになりますが、ここでは一先ず「単価」に焦点を当てています。)

したがって、単価を上げるということは一律に何%値上げするということに限らず(それが出来ればとても楽です。) 、1年が終わった結果としての平均単価が前年度よりも上昇すれば良いわけです。1年365日の中にはオフシーズンなど、平均単価を割り込むような料金でないとお客様が興味を持ってくれない日や、逆に施設側にとって競争力優位な日など様々です。言い換えると、市場の状況として買手>売手、売手>買手、が日々コロコロと入れ替わる中で、お客様が許容できるレートを提示するということになります。

1年間の商売を平均値で行わない、ということです。1年365日、商売のパターンはたったの365通りなのでそれぞれに対して戦術を作ります。その365日の積み上げの結果が「年間平均値」なので、例えば「稼働率を平均で10%上げよう!」と言うのは願望や目標に過ぎず、作戦や施策ではありません。

 

レート・コントロールの考え方

二通りの考え方(手法)があります。

①レートを下げるオペレーションはやらない。

②まわりの競合のレートをチェックして対抗する形で価格優位なレート、つまり安いレートで予約を増やす。

筆者の考える原理原則は、①です。②の手法がエスカレートすると単価を上げることが難しくなります。また、お客様の側も心得たものでレートを下げると折角の高いレートの以前の予約から乗り換えられることもあります。ますます、単価は上がりません。販売開始時点では前年度の着地実績の1つ2つ下のレートでスタートする理由はここにあります。「レートを下げるオペレーションをやらない」が絶対ルールの場合に、前年の着地レートまたはそれよりも高いレートで販売スタートして、もし思わぬ低調な販売状況になった時に身動きがとれなくなるからです。

ただし、「レートを下げるオペレーションはやらない」ためには、商品力そのものに競争力があることが前提になります。料金が競合施設よりも少々高くてもそのホテル旅館に泊まりたいという「目的客」を増やす必要があります。

と言うことは、レベニューマネジメントは販売促進のために、きちんと取り組むべき重要課題の一つであることは間違いありませんが、しかし、それだけでは根本的な解決にならず、そういう意味では、ホテル旅館の運営は、やはり運営の全体調和により改善されるものであると考えます。

 

レベニューマネジメントのために用意する販売プランについて

ほとんど全てのホテル旅館が行っていることなので細かい説明は省略しますが、基本的なプランの他に、「早割プラン」、「直前割プラン」、ホテルであれば「ショートステイプラン」、旅館では料理のグレードをリーズナブルなものにした「価格訴求型プラン」などがそれに該当します。

ここで、

①基本的なプランの販売レートを綿密に変動させる。

②基本的なプランは販売レートをほぼ固定して、これらの廉価版のプランの販売の有無でコントロールする。

の2通りの考え方があります。

筆者は、レベニューマネジメントは幾多の「調整弁」を駆使してレート・コントロールするものとの考え方なので、①または、①と②の併用を支持します。また、②の場合、同じような内容で料金が異なるプランの数が多くなり煩雑な感じなる嫌いもあると考えます。

団体案件の取り扱いについて

最後に団体案件の取り扱いについて若干。

団体案件のお客様、特に旅行代理店に対しては、理論上は、この稿で述べてきた日々の販売レートで商談をしたいものと考えます。しかしながら、業界の商慣習上、馴染まない面も否定できませんので、時によっては沢山あるレートを間引くような感じで団体向けの料金表を作成するという妥協も必要かも知れません。

以上、それぞれのホテル旅館の業務のスタイルや必要に応じて、その他のエクセルによるツールを作るも良しですし、冒頭に申し上げたように、わざわざこのような手間のかかることをしなくてもPMSの様々なオプションメユーやレベニューマネジメントシステムを活用してDX推進の一環として取組めるのであればなお素晴らしいことだと考えます。応用してみようと思える箇所があれば応用してみてください。

レベニューマネジメント7 図1.png

FBC① FBC(飲食材の原価管理)について、大切な考え方①

  〇支出の中で大きな割合をしめるものであるが、その抑制には日々のコツコツした積み上げしか手段がないこと。

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